皇帝

自信というのは人のための言葉で、自然に溶け込めば溶け込むほど、自分というものは失われていくように思う。そもそも、自分にこだわっていたらいつか行き止まりがやってきてしまうのが生命というものだ。
役割を終えたかのようにみえる落ちた枯葉も、美しい冬の景色を彩るもののひとつだ。輝きというのは、若々しい姿形から発せられているものではなく、宿る命がもたらすものである。たとえその形が失われたとしても、宿った命の痕跡は消えることはない。目に見えない小さな小さな光の粒─森羅万象は、私の身体の中を駆け巡るのと同じように、この宇宙を駆け巡る。私たちは永遠に、いつまでもどこまでも、生命という存在としてあり続けるのである。