悪魔

地球を遠くから見ている月は、宇宙が本当は闇でできていることを知っている。管理という名の下に、ゆっくりゆっくり支配されていったこの銀河は、地球が最後の森羅万象になってしまった。
地球は競い合うことを知らなかったし、殺しあうことも知らなかった。自分だけが生き延びようと思うものなどいなかった。1人では生きることができないと、誰もが知っていた。もともと、ひとつのいのちであるからだ。

私たちは知る必要がある。支配から逃れることができるのだと。私たちひとりひとりが、原始そうであったように生きることができるのだと。